WE555+15Aホーンの音は、例えようもなく美しいのですが、
やはり低域と高域には不満が残ります。
そこで、これまでも幾つかのネットワークに繋いで
聴いていましたが、常に「モヤモヤ感」が残ります
自分の勝手な判断ですがウーハーに使用しているWE4181が
結構上の方まで出ていて、逆に15Aホーンはかなり下の方まで
出ている事が原因と考えていました。
そこでWE555+15Aはフルレンジで鳴らして4181は150Hz
程度に抑える事ができるネットワークを作ってもらえないかと
お願いしていたものが届きました。
クロスは4181が132Hz/6dBで555フルレンジ、
596Aはコンデンサーカット
非常に上手くいきました!
どの帯域ものびのびと鳴っていて素晴らしい音がしています。
特にWE555+15Aとウーハーとで被っていた部分が分離され
15Aフルレンジの素晴らしい音に4181の重低音が綺麗に
繋がっています。
モヤモヤも無く、しっかりした低域で
心配していた繋ぎ目もまったく違和感がありません
くわしくはこちらのブログに書いていただいています(参考まで)
https://ameblo.jp/s211amg550/entry-12760204145.html
以前に手放していたWE252Aが久しぶりにまた4本揃ったので
実は写真のようにWE252Aには4種類あります
1.細管(60㎜刻印)
2.太管(66㎜刻印)
3.太管(メッシュプレート)
プッシュプルの位相変換にはいつも悩まされますが
どこかの記事で見た6N30Pをドライバーに使い
段間トランスにソフトンのRC20を使用したものが
音も周波数特性も素晴らしいので、今回もこれを使用しています
(トランスの2次側は解放です)
プレート電圧450Vで歪率5%あたりで、22Wの出力でした
繊細さの中にも図太い低域が魅力の自作の中ではベストなアンプです
とは言え、この球が使われているオリジナルのWE59アンプを
10年以上探していますが未だに見つかりません・・・
流石に本家本元だけあって、かなり良い音がしています。
周波数測定と音の良さはあまり関係ないかもしれませんが
まずはネットワークに繋がった状態の個々の測定です
次は全部を繋いだ状態です
まずはMF6dB HF8dBのATTを接続
次に中域のATTを外してオリジナル状態です
確かに中域(WE555&15Ahorn)が6dB程度上がって
全体的にフラットに見えます
この状態ですと本来ややうるさい感じがするのですが
特にそんな感じも無く15A本来の良さが出ています
これまで色々なネットワークを試していつも悩んでいた
15Aと596Aの繋ぎに問題がないことが分かったのが
大きな成果でした。
ただこのグラフでは若干広域の596Aがまだ強めなので
もう少し落とした方が良いかもしれません。
WE252Aは59アンプ(昔エイフルさんで聴いたことがある)
に使われていた美しいナス管で、以前も所有していましたが
今回メッシュの入手を機会に300Aとの聴き比べをしてみました
WE252Aの起源は諸説あり300Aの前身とも言われていますが
送信管なのでWE275Aの前身と考えられるそうです
(松並さんの記事)
ただCR結合では少し怖いので、ジャンクのシャーシで
トランス結合(クラーフ結合)のアンプを急いで作りました
WE262A-WE310A(3結)-UTCA16-WE300A
(15Hz~20000Hz 1dB以内)プレート電圧440V
さて準備ができたところで、よく知っている300Aから
相変わらず、思わず吸い込まれそうな重厚でいて甘味
次にWE252Aに差し替えて視聴を開始
ノイズなし電流も60m流れていて、メーターも安定しています
音はかなり300Aに近い感じですが、良く言われているように
明らかに太さやメリハリをより感じます。
そんな事もあってすぐにLED-ZEPPELINに切り替えます
新型のLCRプリアンプのアシストもあってか、腰の据わった
内臓に染み渡る音は快感です
ただ歳のせいで自分の耳に高域フィルターが入ってしまっていますので
評価には若干信頼性に欠ける部分があります(笑)
あまりの重量に宅配は不可能らしく事業所留めとの事で
一旦取りに行ってみましたが、すぐに引き返し、便利屋さん二人
に取りに行っていただき設置もお願いすることになりました
写真ではあまりわかりませんが、結構な大きさと重量で
見るからに良い音がしそうです
やっと落ち着きましたので視聴を開始。
LCRユニットは私も自作で製作したことのあるので
ある程度の音は想像していましたが、そんな予想は
一瞬で吹っ飛ぶくらいの素晴らしい音です
どんなに素晴らしいかをここで文章表現することは
難しいですが、過去にプリアンプと名のつくものは
相当使ってきた中で、今更比較する作業はまったく
不要と思えます
LCRの本当の良さを引き出すのは結構難しく、中途半端だと
CRの方が良かったりしますが、今回はもう大きく水を空けた
感じで、91Bとの相性も最高です
最大の欠点は一人では動かせない事です
写真は最初の1枚以外は、製作途中にお送りいただいたものを
使用させていただきました
特にドライブ段は色々なトランス方式や様々なCR結合の位相反転を試みました
周波数特性で見るとNFBのかかったCR方式に勝るものはありませんが
あまり好みの音になりません。
トランスドライブは心地よい音(例えばWE86アンプ)にはなりますが
特性にピークが出たり、それを補正するうちに音まで変わってしまいます
そして最後にたどり着いたのがWE336AでソフトンのRC20を使う方法です
RC20はシングル用ですが中間タップもあり解放接続でも非常に特性が良さそうです
流石にWE336のパワードライブは強力でロックのバスドラやベースの唸りは明らかに
これまでとは違います。
WE86は非常にゲインの高いアンプでそのままの仕様では使えないので
殆どの方が2段目の262Aをジャンプさせてられます。
このアンプは簡単な接続変更のみで各種ゲインの 変更が可能です
まず262Aを1段パスする方法は5と6を解除して5と16を繋ぐだけで完了
次にこのインプットトランスはかなりハイゲインなので、トランスを使用
する場合は 1と3を外して1と4を接続、更に16と17を外して17と18を接続
これで60dBはゲインが落とせます。
但し、インプットトランスで周波数特性は悪くなるのと、直列に抵抗が
入るのであまり良くないとされています。
但し、インプットトランスを通過させた方が心地よい音かもしれません
ここは他のプリなどとの相性もあり何とも言えません(私のプリは62)
もう一つはインプットトランスを外してやって、途中のゲイン調整用の
抵抗は全てパスします(点線の接続)
今回はこの状態で測定しています。
音は勿論素晴らしいですが、インターステージタイプのアンプとしては
素晴らしい特性です。
ゲインもちょうど良く、現在はこの状態で使用しています。
とにかくバランスが悪く3人で持ち上げても何故かどちらかに傾き危険です
この扱いにくさから、床にそのまま置かれる方も多く見かけますが私の場合は
ウーハーを置きたかったので苦労が始まりました(笑)
私の場合はたまたま2階のリビングに強力な梁があるのを見つけて、そこに専用の
金具を作って前側吊り下げる事にしました。
梁の無い場合は梁または強力なたる板を渡す必要があります。
次は後ろに回って、1本のチェーンを補強されている部分から取り出し中心のフック
に止めるのですが、このバランスは微妙でチェーンは必ずホーンの背の部分に沿って
いなくてはなりません。
従って、チェーンは真上からではダメで、最適な後方の位置を探す必要があります。
こうして重みがチェーン全体にかかれば一応OKとされていますが結構押すと横揺れ
しますので、私の場合は地震も怖いのでさらに強力なロープで左右に固定しました。
このように後方に引っ張る仕掛けが必要なので、かなりホーンより後ろ側にも
スペースが必要です。
以上何かの参考になりましたら・・・やれやれ!
元々WE594は高域まで出るので有名ですがそれにしても殆ど
ツイーターは不要なくらい素晴らしいです。
このシステムのウーファーはRCAのフィールドタイプMI1432
TWはカンノ製597タイプ
3Wayネットワークを介した状態ですが、現在はTWを外していて
2Way状態で聞いています。
これはWE555本体だけを測定しているが結構高域まで伸びている
従ってストレートホーンであればまったく問題が無い
次は15Aホーンとの組み合わせですが、下の方はかなり伸びていますが
距離の長いカールホーンの影響か高域は3KHzが厳しい感じです
次にその中高域を補うべくWE596Aの特性を見てみます
何とか繋げそうです。
そこでこの三つを重ねて見ます
これを見ると低域は150Hz辺りでWE555とTA4181を繋ぐのが良さそうです
やはり問題は高域で、WE555の減衰とWE596Aの立ち上がりに
ディプが出てしまいます。
参考までにホワイトノイズによるWE555とWE596A
という訳で、できれば200Hzと2KHzでネットワークを繋ぎたいが
WE596A以外のミッドハイを探す必要があるかもしれない!
WE594Aは汎用性の高いWE555と異なり、低音用のウーハーと
セッティングする事を目的として作られたかなり高度なレシーバーです。
初期のWE製ダイアフラムを使用したものと後期のアルテック製
までありますが555ほど生産量も多くない為に、程度の良い物が
入手しにくくなってきています。
1936年頃から、86アンプとの組み合わせが多かったと思われます。
圧倒的なスピード感と迫力は24AホーンとTA7396/TA4181A×2の
組み合わせにより、最強のシアターサウンドとなりますがとても
家に入らないのでウーハーは現在RCA MI-1432A 15インチ
(38センチ)ウーファーです。
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WesternElectricのTA-7396を原型に家庭用にシングルウー
ハー用になっています。と言っても相当の重量と風格が
あります。
●適合ユニット口径:18インチ(46cm)
●方式:後面開放型
●材質:米松
●外形寸法:W1405×H1016×D820mm
WE555&15Aホーンと組み合わせてある例をあまり見ませんが
以外と相性も良く、違和感無く巧く繋がっているようです。
まだ調整中ですが、スピード感があり、十分な重低音の割には
こもった感じも無く、快適です。
かなり大きな音でも鳴らしてみたいのですが、防音されてない
部屋なので、留守を見計らって(笑)
WE555&WE596とTA-4181用タンガー電源
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の高いパワーアンプです。
インプットトランスの後に262Aの3段増幅はあまりに高
ゲインなので、1本飛ばして使用し、更にラグ端子の選
び方で、何種類ものゲイン調整が可能です 。
程度の良いオリジナルも非常に少なくなりましたが、
これらのトランス類と300Aプッシュプルの組み合わせは、
同じソースでも違う世界に連れて行ってもらえます。
46アンプと同じくインプットインピーダンスは250Ω以下が
必要です。(インプットトランスをパスさせてられる方もあり
ますが、あまりお勧めできません)
なを、プリアンプには62アンプを使用しています。
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こちらも完全なオリジナルを見る事はほとんどありません。
しかし、パーツとして7Aトランスやコンデンサなどは残っていますので、
これを利用したオリジナルに近い物が販売されています。
クロスオーバー300Hz/3000Hz/6dbでWE製の純鉄コアが使用されています。
さすがに中域は2μのコンデンサーを通るだけなので、抜けの良い力強い音ですが
使用するホーンによっては別途ATTで全体のバランスを取る必要があります。
この可変抵抗はツィーター用のものです。
こちらは12db/octで、ATTを可変してもインピーダンスは一定。
コンデンサーはWEのものを使用しています。
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WE555と2W以下のアンプでもこのホーンがあれば映画館になります。
もっとも、更に大きな映画館ではこのホーンをいくつも並べて設置
されたそうで、確かに横にその接続キズがあります。
さすがに家に入れるとデカいのと、特殊な形状なので固定に苦労します
本来ホーンだけの名称は17AでWE555を1本セットしたものを15Aと呼び
アタッチメントで2本セットしたものを15Bと呼んだようですが、初期の頃は
このように15Aの名称のプレートが付いたものあるそうです。
WE555Wレシーバーを使用しますが、かなり低い所まで音が出ます。
その為にウーハーとの自然な結合は結構苦労します。
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開発され、多くの映画館で使用されたようです。
出力は2W程度ですが、能率の高いWE555などと組み合わされて
素晴らしいパフォマンスを発揮した名機です。
前段の真空管が41/42に比べ1本少ないのをトランスでカバー。
その関係もあって、若干レンジは狭くなりますが、その分エネルギーは
中域に集中し、力強く感じる事から、こちらを好むユーザーも多いそうです。
いずれにしても普通の家庭に持ち込むのは、この辺りが限度のような・・
WE46アンプのドライバー段のヒーターは励磁電源で供給しています。
なをプリアンプの出力600ΩはWE702Aフェーダーで200Ωに変換して
46アンプに入っています。86アンプもそうですが、このインピーダンス
整合を間違うと本来の音質にはならないようです。
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